身体の使い方を修正し、発達を促す~望ましい行動の定着へ~

■地域で出会った“発達障害”という気づき■
― 子育てを通じて見えてきた子どもと大人の困りごと ー

私が自分の子どもの子育て中に、地域で様々なお子さんやその保護者さんと出会う中で、子どもにも大人にも、「発達障害」と思われる方に出会う機会が何度かありました。
お子さんの場合は、集団場面になじめない、学習が困難など、比較的周囲から見てわかりやすい困りごとを抱えている一方で、大人の方の場合は、実は「計算が苦手で家計の管理ができない」「片付けが苦手で出したものをしまえない」「人の名前や顔が覚えられない」などの生きづらさを抱えていて、それによって子育てがうまくいかなかったり、周囲との関係がギクシャクしてしまう方を多く拝見しました。

■「どうして…?」から「もしかして…」へ ■ 
― 子どもと大人をつなぐ発達の視点と支援の必要性 ー

最初は、そのような大人の方を見るたびに、それが発達障害の特性によるものかもしれないという気づきは全くなく「どうしてそうなるの…?」という思いがありました。しかし、発達に偏りのあるお子さんたちのことを知る機会が度々あり、ある時「このお子さんたちが、もし特性を気づかれずに支援を受けられないまま大人になったとしたら」「これまで『どうして…?』と思っていた人々はそういう方々で、ひょっとしてご自分も周囲も気づかずに居るのだとしたら…」と子どもから大人への発達の視点が一つの線でつながったのです。それ以降、私の中で「子どもと大人を両輪で支援する」というビジョン(目標)を持つようになりました。

■心理士としての歩み■
 ー 心理学的手法から身体アプローチの学びへ ー

そのような方々を支援する仕事に就きたいと、50代で大学院に入学して臨床心理士の資格を取り、卒業後は療育の現場で働いてきました。
療育ではABA(応用行動分析)の手法で延べ1000時間以上の個別療育に携わってきたものの、ある時、ABAでなかなかうまくいかないお子さんは身体の使い方に問題があるのでは、と気づき、ビジョントレーニング・感覚統合・原始反射統合の理論を学びました。それらの理論を学ぶ中で腑に落ちることがたくさんあり、療育の中でABAマインドの関り方をベースにしつつ、ビジョントレーニング・感覚統合・原始反射統合のエクササイズのプログラムに取り組むと、お子さんたちの変化のスピードが格段に上がることを目の当たりにしてきました。さらに「身体を動かしたくても、身体の様々な部分が固まっていて自分で思うように動かせない」お子さんたちへアプローチすることがもっと何かないかと模索する中で、「身体を緩める整体」の手法に出会いました。

■からだ×こころ:枠を越えたセラピーのかたち■
― 心理士としての新たな挑戦と先人たちの背中 ー

整体を行う心理士はかなり珍しいかもしれません。
しかし世の中には、精神科医で経絡・ツボを用いた整体の療法を行っておらる有名な先生もいらっしゃいますし、心理士で鍼灸師心理士で理学療法士や作業療法士の資格を持っておられる方もいらっしゃいます。
海外では、カイロプラクターが脳神経科学の理論をベースに身体の動きを整えることで、発達障害・知的障害の子どもたちの発達を促すセラピーを行うことが珍しくありません。
心の専門家が身体を整える療法を用い、身体の専門家が脳や発達や認知に関わるセラピーを行う。心と身体とどちらのアプローチがより優れているかを議論する前に、目の前のクライエントをどうにか良くしようとして最適のアプローチを届けようとする姿勢は、支援者として当たり前のことだと思うのです。
そして、人間の身体は様々な器官が相互作用して動いていることを考えれば、そのような支援の手法は、実はとても理にかなっているのです。
そのようなことを地道に取り組んできた先人の方々の足跡や実績が、私が整体を組み合わせたセラピーを行うことの背中を押してくれました。

■心(認知)を整えるには、まず身体から■
― すべての人に届けたい支援のかたち ー

気持ちや行動の問題は、認知や考え方をどうにかして修正しようとするよりも、身体を整えてあげた方がよっぽど早い
これは、私が療育に携わってきた中で、とても感じたことです。
心と身体はつながっている」と様々な研究でわかっていながら、世の中の考え方は「ちゃんとしなさい」「がまんしなさい」「がんばりなさい」と力ずくで心(気持ち)を修正しようとする手法ばかりです。そうすればするほど、子どもたちはとてもつらい思いをします。そしてそういわざるを得なくなっている大人も、同時につらい思いをしているのではないでしょうか。

「身体を整えれば、心(認知)が整う」

Bless Vision では、是非1人でも多く、その支援をさせていただきたいと思っています。